日々、モンスターデザイン、クリーチャーデザインをしている天北竹みのるる尾です。
モンスターキャラクターデザインは、頭の中にしかない生き物を紙の上やデータの中に形にする作業です。
この記事では、テーマの決め方から足し引きで考える作り方、配色の工夫、さらにコラージュやボールペン画といった一風変わった発想法まで、順を追って紹介します。
読み終える頃には、自分だけのモンスターをどこから描き始めればよいか、具体的な手順がつかめるはずです。
ゲーム制作の現場からアート活動まで、幅広い視点でモンスターデザインの考え方を整理していますので、初めて挑戦する方にも、すでに描いている方にも役立つ内容にしています。
モンスターキャラクターデザインとは何か
この章では、モンスターデザインが具体的にどんな作業を指すのか、そして既存の生き物をアレンジするときと完全な空想上の存在を作るときで何が変わるのかを整理します。
モンスターキャラクターデザインとは、実在する動物や人間の特徴を土台にしながら、非現実的な要素を加えて新しい生き物の姿を作り上げる作業です。
見た目のインパクトだけでなく、性格や生態まで含めて考えることで、説得力のあるキャラクターになります。

ゲームやイラストで求められる役割
ゲームに登場するモンスターは、プレイヤーの遊び方にバリエーションを与えたり、世界観を視覚的に表現したりする重要な役割を担っています。
イラストや同人誌の中では、世界観がすでに決まっている仕事の場合は設定に合わせて描くことが多く、オリジナルで描くときは「こういうかっこいい絵が描けないかな」から始めることも珍しくありません。
つまり依頼や目的によって、自由度も考え方も変わってくるということです。
オリジナルモンスターと既存モチーフの違い
ドラゴンや爬虫類、鳥類、ペガサスのような馬と鳥の合体、人面のケンタウロスなど、これまで様々なコンテンツに登場してきたモンスターには何かしらデザインの元になる生き物がいます。
一方でオリジナルのモンスターを作る場合は、元ネタのイメージから離れた発想が必要になり、既存モチーフのアレンジより一段発想力が求められます。
デザインを始める前に決めておきたいテーマと設定
この章では、いきなり手を動かす前に決めておくとブレが少なくなる「テーマ」と「設定」の考え方を、生息地や生態という切り口も交えて解説します。
何も決めずに描き始めると、キャンバスが広がりすぎて、結局何を描きたかったのか分からなくなってしまうことがあります。
そうならないために、最初にテーマを言葉にしておくことが大切です。
どんなモンスターにしたいかを言葉にする
まず考えるべきなのは、どんなモンスターを描きたいかというテーマです。
「炎を操るドラゴン」「不気味な人型生物」のように、一文で言えるくらいシンプルな言葉にしてしまうのがコツです。
テーマが明確になれば、後の工程で色やパーツを選ぶときの判断基準ができるので、作業中に迷う時間を減らせます。
生息地や生態を考えると外見が決まる
次に、そのモンスターがどこに生息していて、どんな生態を持っているかを考えます。
沼地や湿地に住む生物であれば体表が湿っぽく重たい印象になりますし、水辺の肉食動物を思わせる生態であれば、顔つきや背中のトゲといった部分に攻撃的な特徴を反映させやすくなります。
このように生息地と生態を決めることが、見た目の説得力に直結するステップです。

足し引きで考えるモンスターデザインの基本ステップ
この章では、実際に手を動かす段階に入り、ベースとなる生き物の選び方からパーツの足し引き、モンスターらしさを強調する工夫まで、具体的な描き方の順序を追っていきます。
モンスターデザインの多くは、ゼロから完全に新しい形を生み出すのではなく、既存の生き物をベースにしてパーツを組み替える発想で作られています。

ベースになる生き物を選ぶ
爬虫類、鳥類、哺乳類など、まずは核になる生き物を一つ選びます。
ペガサスなら馬をベースに鳥の翼を足す、ケンタウロスなら人と馬を組み合わせるというように、複数の生き物を組み合わせる発想も昔から使われてきた手法です。
ベースが決まると、次の工程で何を足し引きすればよいかの方向性が見えやすくなります。
パーツを足したり引いたりする
ベースの生き物に対して、羽根や角、牙といったパーツを足したり、逆に手足の一部を省略したりして、元の生き物から距離を作っていきます。
包帯や傷といった装飾的な要素を足すだけでも、個性的な印象に近づけることができます。
パーツを移動させる、つまり手のひらに目を描き込むといった配置の工夫や、体の一部を分離させて宙に浮かせるような表現も、モンスターらしさを生み出す方法のひとつです。
モンスターらしさを強調する工夫
足し引きをしたパーツについては、その意味づけや受け取った印象から連想を広げていくと、統一感のあるデザインに仕上がります。
強調したい部分をより大きく誇張したり、逆に他のパーツを控えめにしたりするバランス調整も効果的です。
配色でキャラクターの印象を決める
この章では、形が決まった後の仕上げとして欠かせない配色について、属性からの発想と配色パターンによる印象の違いを説明します。
配色はキャラクターの印象を大きく左右する最後の仕上げ工程です。

属性やイメージから色を選ぶ
配色に迷ったときは、実在する生き物の配色を参考にしたり、火や水といった属性を先に決めてから色を当てはめたりする方法があります。
属性を先に決める場合は、色の割合だけを参考にして、模様などは後から考えるとスムーズに進められます。
食べ物や人工物の色合わせも、配色のヒントとして活用できます。
配色パターンで雰囲気を変える
同じ形のモンスターでも、地味な色で牙や喉袋を小さくまとめれば控えめな印象になり、逆に派手な色で牙や喉袋を大きくすれば攻撃的な印象に変わります。
このように配色次第でキャラクターの印象がガラッと変わるため、複数の配色パターンを試してから最終的な一色に絞り込むことをおすすめします。
コラージュという手法から見えるモンスターデザインの発想法
この章では、写真素材を組み合わせるコラージュという手法が持つ独自の発想の広げ方と、まとまりを出すために陰影が果たす役割について、私自身の制作の経験を踏まえてお伝えします。
私はフォトショップでの描画やコラージュによって、モンスターデザインを作るという活動を続けています。
写真素材同士を組み合わせるコラージュは、足し引きの発想を実際の写真というリアルな質感で試せる手法だと感じています。
写真素材を組み合わせて生まれる違和感の魅力
コラージュでモンスターを作るとき、異なる生き物や物の写真を組み合わせることで、頭の中の空想を具体的な質感を伴った形にできます。

私自身、何となくまとまらないコラージュを何枚も作っては首をかしげていた時期がありました。
作品は一応形にはなるのですが、なぜか何となくまとまらない印象がずっと残っていたのです。
ボールペン画で陰影をつけてまとめる工夫
そのもやもやが晴れたきっかけは、ボールペン画を描くようになったことでした。
線を重ねていくうちに、写真のコラージュで作るモンスターデザインにも、陰影をつければちゃんとまとまるのだと気づいたのです。
コラージュの素材同士に光と影の関係を描き加えることで、バラバラだったパーツが一つの生き物として見えてくるというのが、私がたどり着いた実感です。
そもそもはヤン・シュバンクマイエルの影響で、コラージュによるモンスターデザインを始めたのですが、その時は写真のコラージュ中心で、構成するだけしていたのですが、何となくまとまりに欠け、なぜだかわからずいましたが、陰影表現をプラスすることで、まとめることができることがわかりました。

デザインを短時間でたくさん描くための工夫
この章では、数をこなして描く力を鍛えたい方に向けて、使用する色やツールをあらかじめ絞っておくことで作業時間を短縮する考え方を紹介します。
モンスターを何体も描く必要がある現場では、使用するカラーやルールをあらかじめ統一しておくことで、迷う時間を減らし、制作スピードを上げる工夫がされています。
ルールを決めて迷いを減らす
配色や質感の表現方法について、事前に基本ルールを決めておくと、一体ごとに一から考え直す必要がなくなります。
例えば影の色味やハイライトの入れ方をあらかじめ統一しておくだけでも、作業のテンポが大きく変わります。
使用ツールを絞って作業を単純化する
使用するツールや工程を絞ることも、時短につながる工夫のひとつです。
私の場合、ボールペンと色鉛筆、そしてフォトショップでのコラージュ制作という組み合わせに絞って制作しています。
使う道具や工程をあらかじめ決めておくことで、その都度どの画材を使うか迷う時間がなくなり、発想そのものに集中しやすくなります。
・使用するツールや制作工程を絞る
・迷ったら「テーマ」に立ち返って判断する
モンスターキャラクターデザインを仕事や作品として届ける方法
この章では、完成させたモンスターデザインをどのように発表し、必要とする人に届けていくかについて、SNSでの発信と制作依頼を受ける際に伝えたいことをまとめます。
作品は描いて終わりではなく、見てもらう場所があってはじめて誰かの創造の扉を開くきっかけになります。
SNSやnoteでの発表
完成した作品は、SNSやnoteのようなプラットフォームで発表することで、同じようにモンスターデザインやシュルレアリスム的な表現に興味を持つ方に届けやすくなります。

私自身も、ボールペン画に色鉛筆で色をつけた連想イラストや、コラージュによるモンスターデザインをnoteで公開しています。
これまでにフォトショップによる描画のモンスターデザインを20点以上、写真コラージュによるモンスターを30点以上、かわいい系モンスターを60点以上など、制作してきました。
制作依頼を受ける際に伝えたいこと
モンスターデザインの制作を依頼する場合、依頼者側がどんな世界観やテーマを求めているかを事前に共有してもらえると、イメージのすり合わせがスムーズになります。
私は、シュルレアリスム的な表現に興味のある方や、モンスターデザインを求めている方からのご相談を、平日10:00〜18:00の時間帯でお受けしています。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/68d243db707489
制作の際は具体的な希望イメージや環境などの情報をお伝えいただければと思います。
まとめ|自分だけのモンスターを生み出すために
モンスターキャラクターデザインは、テーマを決め、ベースとなる生き物を選び、パーツを足し引きし、最後に配色で仕上げるという流れで進めると、初めての方でも取り組みやすくなります。
さらにコラージュやボールペン画のように、写真素材と手描きの線を組み合わせる手法を知っておくと、既存の描き方とは違う角度からモンスターを生み出せるようになります。
・ベースの生き物を選び、パーツを足し引きする
・配色で最終的な印象を仕上げる
・コラージュや陰影の工夫で、まとまりのある作品にできる
私自身、何となくまとまらなかったコラージュが、ボールペン画による陰影づけによって形になっていった経験があります。
私も紆余曲折あって、現在の表現に至っていますが、モンスターデザインを志される方々に何かしらのヒントになればと思います。
よくある質問(FAQ)
Q. モンスターデザインを描くのに、絵の技術がないとできませんか?
A. 足し引きの考え方は、既存の生き物のパーツを組み合わせる発想が中心なので、複雑な人体デッサンの知識がなくても取り組みやすい方法です。
まずは興味のあるモンスターから真似て描いてみることをおすすめします。
Q. モンスターデザインとキャラクターデザインは何が違いますか?
A. モンスターデザインは、動物や人間とは異なる非現実的な生き物の姿を考える作業を指すことが多く、キャラクターデザイン全体の中の一分野として扱われています。
Q. コラージュでモンスターデザインを作るメリットは何ですか?
A. 写真という現実の質感を組み合わせられるため、手描きだけでは出しにくい生々しい違和感や存在感を表現しやすくなる点が魅力です。
コラージュによる手法だと、意外性のある形を作り出しやすく、大変重宝しています。
















