日々、モンスターデザインをしている天北竹みのるる尾です。
ポケモンのモンスターデザインには、シンプルなのに忘れられない魅力があります。
その魅力がどうやって生まれているのか、気になったことはありませんか。
この記事では、公式のモンスターデザインの考え方から、実際に自分の手でモンスターを描くための具体的なステップまでをまとめました。
さらに、ボールペン画やコラージュといった手法で連想イラストやモンスターデザインを制作している私自身の方法もご紹介します。
読み終える頃には、あなたの頭の中にある妄想や空想を、形のあるモンスターデザインとして描き出すための手がかりが見つかるはずです。
ポケモンのモンスターデザインとは何か
この章では、公式のポケモンのモンスターデザインが、誰の手によって、どのような体制でつくられているのかを掘り下げます。
デザインの裏側にある考え方を知ることは、自分でモンスターをデザインするときの大きなヒントになります。
ゲームフリークが手がける公式デザインの世界観
ポケモンのモンスターデザインは、開発元であるゲームフリーク株式会社の社内デザイナーによって生み出されています。
同社の採用サイトでは、入社してすぐに『ポケモン』のコンセプトアートを任された社員のインタビューが紹介されており、見えない設定までカタチにする難しさに向き合ってきた様子が語られています。
コンセプトアートの段階では、ただ見た目を考えるだけでなく、そのモンスターがどんな生態を持ち、どんな性格をしているのかという「見えない設定」まで想像してカタチにする必要があります。
ゲームの知識だけでは新しいモンスターは生み出せないという言葉が、社員紹介の記事内でも語られています。

杉森建氏らデザイナーが担ってきた役割
ポケモンの初期デザインを語るうえで欠かせない人物のひとりが、杉森建氏です。
杉森建氏の来歴や漫画作品、ゲーム関連の仕事についてはWikipediaにまとめられており、長年にわたりポケモンシリーズのデザインに関わってきたことがわかります。
一人のデザイナーが世界観の骨格を作り、その後多くのデザイナーがそれを受け継ぎながら新しいモンスターを増やし続けてきた、という流れがポケモンというシリーズの厚みにつながっています。

モンスターデザインが生まれるまでの基本的な考え方
ここからは、モンスターデザインを考えるときに欠かせない、具体的な発想の順序を見ていきます。
「モチーフ選び」「シルエット」「設定からの逆算」という3つの視点を押さえるだけで、デザインの完成度は大きく変わります。
モチーフ選びと連想の広げ方
モンスターデザインの出発点は、多くの場合ひとつのモチーフです。
動物や植物、道具や自然現象など、身近なものから連想を広げていくことで、見る人が直感的に理解できるモンスターが生まれます。
CLIP STUDIO TIPSに掲載されている「モンスターデザインのしかた」という記事でも、モンスターデザインの手順やコツが紹介されており、モチーフからどう発想を広げるかという工程が創作の核になっていることがうかがえます。
モチーフは一つに絞る必要はありません。
複数のモチーフを組み合わせることで、既存のどの生き物にも似ていない、オリジナリティのあるモンスターが生まれます。

シルエットと特徴づけの重要性
モンスターデザインでは、色や模様よりも先に、シルエットの段階で個性を出すことが重要です。
シルエットだけを見ても「あのモンスターだ」とわかるようなデザインは、それだけ特徴が際立っている証拠です。
耳の形、しっぽの長さ、体のプロポーションなど、どこか一箇所でも強い特徴を持たせることで、記憶に残るモンスターになります。
設定・生態から逆算するデザイン手法
見た目だけを先に考えるのではなく、そのモンスターがどんな環境で暮らし、何を食べ、どんな性格をしているのかという設定から逆算してデザインする方法もあります。
ゲームフリークの社員紹介記事でも、見えない設定までカタチにする作業の難しさが語られており、設定とデザインが一体となって初めて説得力のあるモンスターが完成するといえます。
公式グッズやコラボに見るポケモンデザインの広がり
ポケモンのモンスターデザインは、ゲームの中だけにとどまらず、さまざまな商品やコラボレーションを通じて日常の中にも広がっています。
文房具やコラボ商品に見るデザイン展開の例
マックス株式会社のホッチキス針「サクリ」には、ポケモンのピクセルアートをあしらったデザインが採用され、商品として発売されています。
このように、ゲーム内のドット絵デザインが、文房具のような日用品にまで展開されている例は、モンスターデザインが持つ応用の幅広さを物語っています。

「ポケモンデザインラボ」のような新デザイン発表の場
公式サイトでは「ポケモンデザインラボ」という企画のもとで、パルデア地方のポケモンの新しいデザインが発表されるなど、デザインそのものを主役にした情報発信も行われています。
こうした場が用意されていること自体が、モンスターデザインが単なる脇役ではなく、シリーズの中核をなす価値であることを示しています。
モンスターデザインを自分でつくるためのステップ
この章では、実際に手を動かしてモンスターデザインを形にするための、具体的な工程を順番に紹介します。
ラフスケッチで妄想を形にする
まずは頭の中にある妄想や空想を、線の粗いラフスケッチとして紙の上に出してみます。
この段階では上手さよりも、思いついたイメージを逃さずに描き留めることを優先します。

陰影をつけてまとまりを出す工夫
ラフができた後は、陰影をつけていく工程に進みます。
平面的だった線画に光と影を加えるだけで、モンスターの体に立体感が生まれ、絵全体に説得力が増します。
色や質感で世界観を仕上げる
最後に色や質感を加えて、モンスターが暮らす世界観までイメージできるように仕上げます。
色の選び方ひとつで、そのモンスターが「かわいい」印象になるか「不気味」な印象になるかが大きく変わってきます。
- ラフスケッチで妄想を形にする
- 陰影をつけてまとまりを出す
- 色や質感で世界観を仕上げる
私が実践しているモンスターデザインの制作方法
ここでは、私自身がどのようにモンスターデザインを制作しているのか、具体的な手法をお伝えします。
ボールペン画と色鉛筆による連想イラストの技法
私は、ボールペン画に色鉛筆で色をつけることで、連想イラストやシュルレアリスム的な絵を描いています。
ボールペンという道具は一度描いた線を消せないからこそ、迷いなく線を重ねていく緊張感が生まれ、それが絵に独特の密度を与えてくれます。
最近は、鉛筆で下絵を描いた後、筆ペンで輪郭線を描き、その上からボールペンで陰影を描き、色鉛筆で彩色するモンスターデザインをしていたりもします。


フォトショップのコラージュで生まれるモンスターデザイン
もうひとつの柱が、フォトショップでの描画やコラージュによるモンスターデザインです。
写真素材を組み合わせるコラージュの手法は、実在するものの質感をそのまま活かせるという魅力があります。
以前は、コラージュだけで作品を作ると、なぜか全体がまとまらない印象が残ることがありました。
ボールペン画で陰影のつけ方を学んだことで、コラージュ作品にも陰影を加えればきちんとまとまるのだと気づき、そこから制作の幅が大きく広がりました。
写真をフォトショップで切り取ったり、フォトショップで特定のものを描いたり、Zbrushで3Dを作ったりして素材を作り、それをフォトショップで最終的にコラージュするのですが、最近はそれに陰影を加えて仕上げています。


モンスターデザインを作るときに知っておきたい注意点
自分だけのモンスターデザインを作るうえで、あらかじめ知っておきたい注意点を整理します。
既存キャラクターに似せすぎないための工夫
モチーフからの連想を大切にしながらも、シルエットや配色は自分なりに変化させる意識が必要です。
著作権・オリジナリティを守る意識
参考にするのはあくまで「発想の手順」や「考え方」であり、完成した見た目そのものを写し取ることではない、という線引きを意識することが大切です。

まとめ:自分だけのモンスターデザインを見つけよう
ポケモンのモンスターデザインは、モチーフからの連想、シルエットの工夫、設定からの逆算という積み重ねによって生まれています。
その考え方は、プロのデザイナーだけでなく、これから自分の手でモンスターを描いてみたい方にとっても、大きなヒントになります。
私自身も、ボールペン画とコラージュという二つの手法を通じて、妄想や空想を形にする作業を続けています。
写真のコラージュによるモンスターデザインを40点以上、フォトショップの描画によるコラージュモンスターも20点以上、普通の描画によるモンスターを60点以上作ってきました。
モンスターのスケッチに関しては300点以上作っています。
もし私の絵や、連想する世界、シュルレアリスム的な表現、モンスターデザインに少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ作品をご覧いただけると嬉しいです。
詳しい作品は下記のnoteでご覧いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q. モンスターデザインを考えるとき、何から始めればいいですか。
A. まずは身近な動物や植物、道具など、ひとつのモチーフを選ぶところから始めるとスムーズです。
そこから連想を広げていくことで、少しずつ自分だけのモンスターの姿が見えてきます。
Q. 絵を描くのが得意でなくても、モンスターデザインはできますか。
A. ラフスケッチの段階では上手さよりも、思いついたイメージを逃さず描き留めることの方が大切です。
陰影や色は後からの工程で整えていけるため、まずは気軽に手を動かしてみることをおすすめします。
Q. ボールペン画やコラージュでモンスターデザインをすることのメリットは何ですか。
A. ボールペン画は線を消せない緊張感が絵に独特の密度を与え、コラージュは実在する質感をそのまま活かせるという魅力があります。
私自身、この二つの手法を組み合わせることで、頭の中の妄想を形にする表現の幅を広げてきました。
















