最近まで、シュールレアリスムの方が一般的な言われ方だと思っていた天北竹みのるる尾です。
シュールレアリスムとシュルレアリスム、どちらの表記を見たことがあるでしょうか。
美術の記事や作品紹介の中で、この二つの表記が入り混じっているのを見て、違う意味なのではと感じたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、二つの言葉がどう違うのか、その理由から歴史、代表的な技法まで順番にお伝えします。
読み終えたころには、表記の違いに惑わされず、シュルレアリスムという表現そのものを楽しめるようになっているはずです。
私自身、ボールペン画に色鉛筆で色をつけながら、連想やシュルレアリスム的な表現を描き続けている一人として、言葉の背景にある世界の面白さも一緒にお伝えできればと思います。
結論からお伝えします|二つの言葉に意味の違いはありません
この章では、まず多くの方が知りたい結論からお伝えします。
「シュールレアリスム」と「シュルレアリスム」は、意味の違いがある言葉ではありません。
同じ美術運動、同じ概念を指す言葉です。
なぜ表記が二種類あるのか
違いが生まれる理由は、どの言語を基準にカタカナ表記したかという点にあります。
フランス語の「surréalisme」をもとにすると「シュルレアリスム」に近い音になります。
一方、英語の「surrealism」をもとにすると「シュールレアリズム」に近い音になり、そこから「シュールレアリスム」という表記も広まりました。

辞書や専門書ではどちらが使われているか
美術史の専門書や大学の講義では「シュルレアリスム」の表記が使われることが多い傾向にあります。
これはフランスで生まれた運動であるという成り立ちを重視しているためです。
一方で、辞書サイトや一般向けの記事では「シュールレアリスム」という表記も見出し語として扱われています。
シュルレアリスムという言葉の成り立ち
ここでは、シュルレアリスムという言葉そのものがどのように生まれたのか、語源から掘り下げます。
言葉の成り立ちを知ると、なぜこの運動がこの名前を持つに至ったのかが見えてきます。
フランス語「surréalisme」が語源
シュルレアリスムは、フランス語の「sur(超えた)」と「réalisme(写実主義・現実主義)」を組み合わせた言葉です。
つまり「現実を超えたもの」という意味合いを持つ言葉として作られました。
現実を超えたという表現がぴったりな気がします。この芸術運動に。
私もそのようなものを作れればと思っています。
日本語に入ってきた経緯
日本にシュルレアリスムが紹介されたのは、大正末期から昭和初期にかけての時期です。
美術や文学の分野で紹介される中で、フランス語読みに近い表記が定着していきました。
「シュール」という言葉との混同に注意
日常会話で使われる「シュール」という言葉と、美術用語の「シュルレアリスム」を混同してしまうケースがあります。
この章では、両者の違いを整理します。
日常語の「シュール」とは別物
「シュールな笑い」「シュールな展開」というときの「シュール」は、独特で奇妙な雰囲気を指す日常語として定着しています。
これはシュルレアリスムという言葉が略されて広まった結果ですが、美術運動としてのシュルレアリスムとは意味がずれています。
ダダイスムとの関係
シュルレアリスムの源流には、第一次世界大戦前後に生まれたダダイスムという芸術運動があります。
ダダイスムが既存の価値観や理性そのものを壊そうとしたのに対し、シュルレアリスムは理性の外側にある無意識の世界を表現しようとした点に違いがあります。
シュルレアリスムの歴史をざっくりつかむ
この章では、シュルレアリスムがどのように始まり、世界に広がっていったのかを時系列で見ていきます。
歴史の流れを知ることで、表記の由来もより深く理解できるようになります。
アンドレ・ブルトンと宣言の誕生
シュルレアリスムは、1924年にアンドレ・ブルトンが発表した宣言によって、一つの運動として明確な形を持つようになりました。
フロイトの精神分析学の影響を受け、無意識の世界を表現の対象とする考え方が打ち出されました。
世界各国への広がり
フランスで始まったシュルレアリスムは、スペイン、ベルギー、チェコスロバキア、ルーマニアなど、ヨーロッパ各国に広がっていきました。
日本にも紹介され、独自の展開を見せた時期があります。
代表的な技法と考え方
シュルレアリスムには、無意識を表現に落とし込むための独自の技法がいくつも存在します。
この章では、代表的な技法を一つずつ紹介します。
オートマティスム(自動筆記)
オートマティスムとは、理性による意識的なコントロールを排除し、思い浮かんだことをそのまま書き綴ったり描いたりする技法です。
頭で考える前に手を動かすことで、無意識の中にあるイメージを引き出そうとする試みです。
デペイズマンとデカルコマニー
デペイズマンとは、本来あるはずのない場所に物を置くことで、見る人に違和感や新しい意味を感じさせる技法です。
デカルコマニーとは、紙に絵の具をつけて別の紙に転写することで、偶然できた形から発想を広げる技法です。
客観的偶然という概念
客観的偶然とは、偶然の出来事の中に、無意識が呼び込んだ必然的な意味を見出す考え方です。
シュルレアリストたちは、この偶然性を創作の重要な手がかりとして扱いました。

絵画・文学・写真・映画に見るシュルレアリスム表現
シュルレアリスムは絵画だけの運動ではなく、文学や写真、映画など幅広い分野で展開されました。
この章では、それぞれの分野での表現の広がりを紹介します。
絵画の分野では、現実にはあり得ない組み合わせや光景を描く手法が発展しました。
文学の分野では、自動筆記による詩や小説が生み出されました。
写真や映画の分野でも、現実の断片を組み合わせることで、無意識の世界を映し出す試みが行われました。
ボールペン画で私が表現するシュルレアリスム的な世界
ここからは、私自身がどのようにシュルレアリスム的な表現と向き合っているかをお伝えします。
言葉の意味だけでなく、実際の制作を通じて感じていることも知っていただけたら嬉しいです。
連想と妄想から絵が生まれる過程
私がシュールレアリスム的なボールペン画などを作る際には、まず最初のイメージを簡単に描き、そこから連想で、いろいろなものを描いていくという事をすることが多いです。
画面の余白が描くものを決定するとでも言えるようなものです。


コラージュとモンスターデザインとのつながり
そもそもシュルレアリストのヤン・シュバンクマイエルの影響で、モンスターデザインをするのに、コラージュによるモンスターデザインを試みるようになりました。
最初はパソコンによる構成だけでしたが、何となく完成度が低く、その後、ボールペン画を描くようになり、その事からコラージュでも陰影をつけるようになって、コラージュ作品もまとまるようになりました。

シュルレアリスムを学ぶ・楽しむときのポイント
最後に、シュルレアリスムをこれから学んだり楽しんだりしたい方に向けて、押さえておきたい視点をお伝えします。
表記の違いを気にしすぎず、まずは作品そのものに触れてみることをおすすめします。
美術館で実物を鑑賞する、画集を眺める、実際に自分の手で偶然性を伴う技法を試してみるなど、触れ方はさまざまです。
🟥(ここに、これまで実際に制作した作品の点数や種類、活動を続けてきた年数など、具体的な実績があれば書いてください)
まとめ|表記の違いを気にせず作品の世界を楽しんでほしい
シュールレアリスムとシュルレアリスムは、フランス語由来か英語由来かという表記の違いであり、意味そのものに違いはありません。
大切なのは、表記そのものよりも、理性の外側にある無意識や妄想の世界をどう形にするかという、シュルレアリスムの本質に触れることです。
私自身も、ボールペン画や連想イラスト、モンスターデザインを通じて、その世界を形にし続けています。
もし興味を持っていただけたなら、作品をご覧いただけると嬉しいです。
よくある質問(FAQ)
Q. シュールレアリスムとシュルレアリスムはどちらの表記が正しいですか?
A. どちらも誤りではありません。フランス語由来の音に近いのが「シュルレアリスム」、英語由来の音に近いのが「シュールレアリスム」です。
Q. 「シュール」という言葉もシュルレアリスムと関係がありますか?
A. 語源的にはつながっていますが、日常語の「シュール」は独特で奇妙な雰囲気を指す言葉として、美術運動としてのシュルレアリスムとは別の意味で使われています。
Q. シュルレアリスムはいつ、誰によって始まりましたか?
A. 1924年にアンドレ・ブルトンが宣言を発表したことをきっかけに、一つの芸術運動として広がっていきました。



















